そんなこと考えたこと無かった。少し前の時代、英米文学に登場するタフで魅力的な「おばさん」たちの、秘密! なにゆえに若い女性でなかったのか? 最近映画化された(?)チャールズ・ディケンズ作『デイヴィッド・コパフィールド』(読んでません)に出てくる大伯母ベッツィ・トロットウッド、アルフ・ブリョイセン作『小さなスプーンおばさん』(アニメになっていた気がする)のおばさん、ルイーザ・メイ・オルコット作『若草物語』のマーチおばさん、など、自由と変人は表裏一体の体現者たちに翻訳家三辺律子さんは憧れていたという。
自由で自立した女性を描こうとすると、自然と「おばさん」にならざるを得なかったのだ。
そんな読み方をするんだ、と感嘆しきり。そう思うと女性活躍、男女平等の先駆的社会を切り開いた英米の苦闘の歴史やら、それを根底から望み支えた作家たちの秘められし熱意にたいして敬意を表しつつも、裏面史に切なさを覚えたりもする。
最近の読書10冊(予定を含む)
- お月さまってどんなあじ? ミヒャエル・グレイニェク(絵・文)いずみちほこ(訳)
- 案外、知らずに歌ってた童謡の謎 合田道人(著)
- 世界の名詩を読みかえす 飯吉光夫(訳・編集)葉祥明・唐仁原教久・東逸子・田渕俊夫(絵)
- 太秦ライムライト(映画パンフ)福本清三・山本千尋
- 白い土地 ルポ福島「福島帰還困難区域」とその周辺 三浦英之(著)
- 『Kaka Murad』 & 『Magic Box』
- ザ・ヘイト・ユー・ギヴ THE HATE U GIVE アンジー・トーマス(著)服部理佳(訳)
- 【読了】EREWHON エレホン サミュエル・バトラー(著)武藤浩史(訳)
- 桂浜水族館公認飼育員のトリセツ 桂浜水族館(監修)
- The Journal of Art Crime: Fall 2020 Noah Charney (著), Urška Charney (イラスト)