そんなこと考えたこと無かった。少し前の時代、英米文学に登場するタフで魅力的な「おばさん」たちの、秘密! なにゆえに若い女性でなかったのか? 最近映画化された(?)チャールズ・ディケンズ作『デイヴィッド・コパフィールド』(読んでません)に出てくる大伯母ベッツィ・トロットウッド、アルフ・ブリョイセン作『小さなスプーンおばさん』(アニメになっていた気がする)のおばさん、ルイーザ・メイ・オルコット作『若草物語』のマーチおばさん、など、自由と変人は表裏一体の体現者たちに翻訳家三辺律子さんは憧れていたという。
自由で自立した女性を描こうとすると、自然と「おばさん」にならざるを得なかったのだ。
そんな読み方をするんだ、と感嘆しきり。そう思うと女性活躍、男女平等の先駆的社会を切り開いた英米の苦闘の歴史やら、それを根底から望み支えた作家たちの秘められし熱意にたいして敬意を表しつつも、裏面史に切なさを覚えたりもする。
最近の読書10冊(予定を含む)
- EREWHON エレホン サミュエル・バトラー(著)武藤浩史(訳)
- 失われた芸術作品の記憶 ノア・チャーニイ(著)服部理佳(訳)
- 問いかけるアイヌ・アート 池田忍(編)五十嵐聡美・貝澤 徹・小笠原小夜・吉原秀喜・高橋 桂・中川 裕・山崎明子・池田 忍(著)
- 撤退の時代だから、そこに齣を置く(執筆)赤坂憲雄(『図書』岩波書店定期購読誌2021年1月号/往復書簡「言葉をもみほぐす」最終話)
- 絵本の本 中村柾子著
- 藤井聡太 すでに棋士として完璧に近い(谷川浩司筆・文藝春秋2021新年特別号所収)
- 石たちの声がきこえる マーグリート・ルアーズ(作)ニザール・アリー・バドル(絵)前田君江(訳)
- 国旗のまちがいさがし 苅安望(監修)
- ひみつのビクビク フランチェスカ・サンナ(作)なかがわちひろ(訳)
- あしたはきっと デイヴ・エガーズ(文)レイン・スミス(絵)青山南(訳)