そんなこと考えたこと無かった。少し前の時代、英米文学に登場するタフで魅力的な「おばさん」たちの、秘密! なにゆえに若い女性でなかったのか? 最近映画化された(?)チャールズ・ディケンズ作『デイヴィッド・コパフィールド』(読んでません)に出てくる大伯母ベッツィ・トロットウッド、アルフ・ブリョイセン作『小さなスプーンおばさん』(アニメになっていた気がする)のおばさん、ルイーザ・メイ・オルコット作『若草物語』のマーチおばさん、など、自由と変人は表裏一体の体現者たちに翻訳家三辺律子さんは憧れていたという。
自由で自立した女性を描こうとすると、自然と「おばさん」にならざるを得なかったのだ。
そんな読み方をするんだ、と感嘆しきり。そう思うと女性活躍、男女平等の先駆的社会を切り開いた英米の苦闘の歴史やら、それを根底から望み支えた作家たちの秘められし熱意にたいして敬意を表しつつも、裏面史に切なさを覚えたりもする。
最近の読書10冊(予定を含む)
- 声無くして人を呼ぶ(執筆)川端知嘉子(『図書』岩波書店定期購読誌2021年2月号/巻頭)
- おさがしの本は 門井慶喜(著)
- 穴 小山田浩子(著)
- 工場 小山田浩子(著)
- ヴァン・ゴッホ・カフェ THE VAN GOGH CAFE シンシア・ライラント(作)中村妙子(訳)ささめやゆき(絵)
- 手塚治虫コミックストリックス
- しもやけぐま 今江祥智(文)あべ弘士(絵)
- 壁 濱野京子(筆)大島千明(画)日本児童文学2021年1・2月号 創作特集ディスタンス
- 子どもが感じる「距離」井嶋敦子(筆)日本児童文学2021年1・2月号 創作特集ディスタンス
- 追悼 藤富保男(季刊びーぐる 詩の海へ 38号特集)