【再掲】うたうかたつむり 野田沙織詩集

1979年生まれの詩人を知った時にはすでに死後1年とは。読む前にそう知ったためだろうか、切なさを感じてしまうのは。否、まるで童謡のようなあどけなさを一杯拡げているのに、エンディングには、ちゃんと大人の女性が佇んでいるからなのだ。かたつむり色した(?)装幀にピンクの栞紐というのも作風にふさわしい。

お気に入りは、「ゆめのふね」。

きみを乗せた/舟がとおったら/ぼくは空で星をまくよ/大事にとっておいた/おりがみのキラキラを/全部つかって

きみが思わず/星に手をのばしたら/そっと/そうっとその手を/にぎってもいいかな

でも ね

できることなら/その舟に/きみとならんで星を見たい


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