おおっ、今日の新聞書評欄で唯一気になった本は末國善己さんが評者となっている! おとといの『新選組の料理人』で解説を書いていた方。機縁にこころが騒ぐ。
コロナ禍の今に相応しい医療ミステリーらしい。科学の二面性、幸不幸のどちらにも導く可能性をどう扱うかは人間次第。さらに・・・
新型コロナという危機を前に恐怖や感情が優先され、論理性が等閑視されている現状への批判とも読めるのである。
末國善己・評
本作は小説だから、やりたい放題できるといってしまえばそれまでだが、リアリティあればこそ読者に響くのは事実。もしかすると現今の日本の政治家スタンスさえも動かせるか、そんな読み方も出来るのかもしれない。さらには、コロナ禍の終息後になって振り返って読む愉しみも・・・それは今の政治手腕次第。読書にはさまざまな楽しみ方があっていい。
最近の読書10冊(予定を含む)
- 「おばさん」がいっぱい(執筆)三辺律子(『図書』岩波書店定期購読誌2021年4月号/本をひらいた時)
- 七万人のアッシリア人 ウイリアム・サローヤン(著)斉藤数衛(訳)現代アメリカ作家集上巻所収1971年初版
- 季(とき)間中ケイ子(筆)ほか/日本児童文学2021年3・4月号 特集25年後の子どもたちへ
- カフカらしくないカフカ 明星聖子(著)
- 雪の練習生 多和田葉子(著)
- 物理の館物語(著者不明)/小川洋子『物理の館物語』参照(柴田元幸編『短篇集』所収)
- 『還れぬ家』『空にみずうみ』佐伯一麦(著)
- 十一年目の枇杷(執筆)佐伯一麦(『図書』岩波書店定期購読誌2021年3月号/巻頭)
- もっともらしさ(執筆)畑中章宏(『図書』岩波書店定期購読誌2021年3月号/らしさについて考える④)
- 【続】フランツ・ファノン『黒い皮膚・白い化面』小野正嗣(筆)NHK100分de名著