愛媛新聞連載”鎌田慧の「忘れ得ぬ言葉」(13)”に登場したのは俳優・木内みどりさんの気合い一杯の一言。
東日本大震災以降、脱原発集会に夫婦で参加するのみならず、頼まれた司会をあっさり受諾した木内さん。ある冬、東京で行われた街宣車上での演説会に参加した彼女。鎌田さんによれば「見事なまでに無視された」という。後日、その話題になると彼女は言った。
「頑張れる。あれで根性入った」
そんな木内みどりのひとり娘・水野頌子さんは書いている。
木内みどりは、自分自身の決めた正しさにいつでもまっすぐ、強烈な速度で向かっていた
『あかるい死に方』所収
ベテラン俳優さんはきっと仕事柄、スイッチの入れ方が巧いにちがいないが、そんな木内さんでも脱原発などの活動には格別のスイッチが必要だったということだ。われわれは活動家たちの熱量について(冷めて見てないで)、それぞれそこに至るだけの特別のスイッチが入ったに違いないと想いをめぐらしていかなければいけないのだ、たぶん。
現代人に求められる能力の一つは、想像力だ。
最近の読書10冊(予定を含む)
- 映画にしなければならないもの(INTERVIEW)瀬々敬久・佐藤健・阿部寛/キネマ旬報2021年10月上旬号
- 小早川秋聲 旅する画家の鎮魂歌/回顧展公式カタログ兼書籍
- シンポジウム「明日に向けて、何をどう書いていくか」日本児童文学者協会2021公開研究会/案内リーフレット
- 「ぞうもかわいそう」再びー『かわいそうなぞう』の虚偽(筆)長谷川潮/『日本児童文学』2021年9・10月号特集「伝える」を問い直す
- レイシズムを考える(編)清原悠
- 咀嚼不能の石(筆)古矢旬/『図書』岩波書店定期購読誌2021年9月号巻頭
- 読書の敵たち(筆)大澤聡/『図書』岩波書店定期購読誌2021年9月号所収
- 宵の蒼(著)ロバート・オレン バトラー(訳)不二淑子/「短編画廊 絵から生まれた17の物語」所収 (ハーパーコリンズ・フィクション)
- 木村素衞――「表現愛」の美学 (再発見 日本の哲学)(著) 小田部胤久
- たまごのはなし(作・絵)しおたにまみこ