美術作家永井宏さん没後10年になるのを前に纏められた、永井宏の言葉集。線画(といっていいのか知らないけど)も文章も脱力感の多い印象を放っているが、人を惹きつけるのは内蔵された情熱以外の何物でも無いってことを痛感させてもらえる。そんな情熱をご本人は”執念”と言っておられるけど。。。掲載の短文たちは今でいえばツイート的。そんな文化浸透より10年も前から始められた(それを評して編者の丹治さんは「ひとつの発明」と形容)、カタログ通販のためのメッセージ群だ。この一冊を読めば永井さんは孤高のアーチスト的ながら、積極的にワークショップを開かれるほど仲間や後進を大切にされた方でもあると判る。
ふたつのバッグがあって、ひとつは街に出掛けるときに持っていって、もうひとつは海に持っていく。どっちも、いつでも出掛けられるように用意してあって、それぞれに読みかけの本が入っている。どっちが先に読み終わるんだろう。
MARCH 1996
わたしは、この本をひとつのかばんに入れて、いつでも持って出掛けられるようにしようと心に決めた。
最近の読書10冊(予定を含む)
- サニーちゃん、シリアへ行く 長有紀枝(文)葉祥明(絵)黒木英充(監修)
- 江戸の空見師 嵐太郎 佐和みずえ(著)
- その白さえ嘘だとしても 河野裕(著)階段島シリーズ第二作 新潮文庫書き下ろし
- indigo+ 赤崎チカ(著)Time is Art シリーズⅢ
- 古書店主とお客さんによる古本入門 漱石全集を買った日 山本善行×清水裕也(対談)
- 暮しの手帖1971年夏号
- 八年後のたけくらべ 領家髙子(著)
- キャパとゲルダ ROBERT CAPA & GERDA TARO ふたりの戦場カメラマン EYES OF THE WORLD マーク・アロンソン&マリナ・ブドーズ(著)原田勝(訳)
- ウルスリのすず SCHELLEN-URSLI ゼリーナ・ヘンツ(文)アロイス・カリジェ(絵)大塚勇三(訳)
- まことに残念ですが… ROTTEN・REJECTIONS 不朽の名作への「不採用通知」160選 アンドレ・バーナード(編著)木原武一(監修)中原裕子(訳)