そんなこと考えたこと無かった。少し前の時代、英米文学に登場するタフで魅力的な「おばさん」たちの、秘密! なにゆえに若い女性でなかったのか? 最近映画化された(?)チャールズ・ディケンズ作『デイヴィッド・コパフィールド』(読んでません)に出てくる大伯母ベッツィ・トロットウッド、アルフ・ブリョイセン作『小さなスプーンおばさん』(アニメになっていた気がする)のおばさん、ルイーザ・メイ・オルコット作『若草物語』のマーチおばさん、など、自由と変人は表裏一体の体現者たちに翻訳家三辺律子さんは憧れていたという。
自由で自立した女性を描こうとすると、自然と「おばさん」にならざるを得なかったのだ。
そんな読み方をするんだ、と感嘆しきり。そう思うと女性活躍、男女平等の先駆的社会を切り開いた英米の苦闘の歴史やら、それを根底から望み支えた作家たちの秘められし熱意にたいして敬意を表しつつも、裏面史に切なさを覚えたりもする。
最近の読書10冊(予定を含む)
- 戦争は女の顔をしていない(著)スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ(訳)三浦みどり
- 徹底して戦争と死について書く(執筆)沼野充義(『図書』岩波書店定期購読誌2020年11月号巻頭)
- 夢の舟唄(德永民平詩集)
- わさびの日本史 (著)山根京子
- 国家への道順(著)柳美里
- 正義のゲーム理論的基礎(著)ケン・ビンモア(訳)栗林寛幸
- 社会契約論ーーホッブス、ヒューム、ルソー、ロールズ(ちくま新書)(著)重田園江
- 40代から始めよう! あぶら身をごっそり落とす きくち体操
- スケール 上──生命、都市、経済をめぐる普遍的法則(著)ジョフリー・ウェスト(訳)山形浩生・森本 正史
- 多数決を疑う――社会的選択理論とは何か (岩波新書)