今日(2020/12/18)の愛媛新聞にこの本のドラマ化が載っていて、読まなきゃ!と図書館に奔った。(衝動の理由って説明できないもんだ。)先崎学さんの闘病記は軽快ながらも、うつ病患者の「あるある」状態が例示され読み応えありだが、本書の目玉はお兄さんだろ。兄、としか登場しないが精神科医それも名言たっぷりで、棋士の弟をみごとに支えた立役者。
こちらがぐんぐん元気になってきてからは、知らない人が見たら、どう見ても兄のほうがうつ病患者に見えただろう。
こう紹介するほど、お兄さんは多忙で激務でぐったりしている。
兄からは連日ラインが来ていた。ほとんどは「必ず治ります」という短いものだったが、なによりそれが心強かった。
そんなお兄さんを支える信条がこれだ。
「究極的にいえば、精神科医というのは患者を自殺させないというためだけにいるんだ」
ドラマ化された映像を見る機会があれば、お兄さん役の演技に注目したいし、そのお兄さんの視点で本書をリメイクしてもらいたい気持ちだ。
- 映画にしなければならないもの(INTERVIEW)瀬々敬久・佐藤健・阿部寛/キネマ旬報2021年10月上旬号
- 小早川秋聲 旅する画家の鎮魂歌/回顧展公式カタログ兼書籍
- シンポジウム「明日に向けて、何をどう書いていくか」日本児童文学者協会2021公開研究会/案内リーフレット
- 「ぞうもかわいそう」再びー『かわいそうなぞう』の虚偽(筆)長谷川潮/『日本児童文学』2021年9・10月号特集「伝える」を問い直す
- レイシズムを考える(編)清原悠
- 咀嚼不能の石(筆)古矢旬/『図書』岩波書店定期購読誌2021年9月号巻頭
- 読書の敵たち(筆)大澤聡/『図書』岩波書店定期購読誌2021年9月号所収
- 宵の蒼(著)ロバート・オレン バトラー(訳)不二淑子/「短編画廊 絵から生まれた17の物語」所収 (ハーパーコリンズ・フィクション)
- 木村素衞――「表現愛」の美学 (再発見 日本の哲学)(著) 小田部胤久
- たまごのはなし(作・絵)しおたにまみこ