和歌に取り憑かれた研究者(だと思う)渡部泰明先生の、篤くて温かい和歌系譜談義は、知っていたつもりの歌人たちをそれぞれ和歌史の潮流の立役者として見事に配置してみせている。すごっ。映画に喩えるなら、大物俳優たちをみごとにキャスティングした監督といったところだろうか。それを可能ならしめた端緒は、40年以上前に卒論テーマを決めあぐねていた時、遭遇した寺山修司のことばの鮮烈さだったというから、寺山修司の普遍性にあらためて驚嘆するばかりだ。
そのことばがこちら。
縄目なしには自由の恩恵はわかりがたいように、定型という物が僕に言語の自由をもたらした。
寺山修司「僕のノオト」『空には本』
幸いに、本の帯の裏面には、章立てに掲げられたタイトル群(歌人たちとその役割)が並んでいるからアップしておきたい。
- 迷子の魂(絵本)Olga Tokarczuk(作) Joanna Concejo(絵)
- 男らしさ(執筆)畑中章宏(『図書』岩波書店定期購読誌2020年12月号/らしさについて考える②)
- 杜甫の作った冷やし麺(執筆)興膳宏(『図書』岩波書店定期購読誌2020年12月号)
- 東洋堂古書目録 令和2年秋号
- しろいみつばち きくちちきの絵本(暮しの手帖Winter 2020-21 特別付録)
- 和歌史 なぜ千年を越えて続いたか(角川選書)
- おふろでちゃぷちゃぷ 松谷みよ子(文) 岩崎ちひろ(絵)
- 宮津昭彦集 自註現代俳句シリーズⅠ期16
- 永遠の緑 浅田次郎著 KEIBA CATALOG vol.18
- 英語発達小史(岩波文庫)H.ブラッドリ著 寺澤芳雄訳