そんなこと考えたこと無かった。少し前の時代、英米文学に登場するタフで魅力的な「おばさん」たちの、秘密! なにゆえに若い女性でなかったのか? 最近映画化された(?)チャールズ・ディケンズ作『デイヴィッド・コパフィールド』(読んでません)に出てくる大伯母ベッツィ・トロットウッド、アルフ・ブリョイセン作『小さなスプーンおばさん』(アニメになっていた気がする)のおばさん、ルイーザ・メイ・オルコット作『若草物語』のマーチおばさん、など、自由と変人は表裏一体の体現者たちに翻訳家三辺律子さんは憧れていたという。
自由で自立した女性を描こうとすると、自然と「おばさん」にならざるを得なかったのだ。
そんな読み方をするんだ、と感嘆しきり。そう思うと女性活躍、男女平等の先駆的社会を切り開いた英米の苦闘の歴史やら、それを根底から望み支えた作家たちの秘められし熱意にたいして敬意を表しつつも、裏面史に切なさを覚えたりもする。
最近の読書10冊(予定を含む)
- 飛ぶ教室66号(2021年夏) 特集:あの物語とその周辺
- 読書からはじまる(著)長田弘/ちくま文庫
- 子どもの本のグレートランナーに聞く! 第1回 神宮輝夫/飛ぶ教室 第61号(2020年春)所収
- 日本の住宅(著)藤井厚二/藤井厚二建築著作集に収録
- コロナと無責任な人たち(著)適菜収/祥伝社新書
- 佐藤愛子の世界(文春ムック)
- 福島の甲状腺検査と過剰診断 子どもたちのために何ができるか(著)髙野徹・緑川早苗・大津留晶・菊池誠・児玉一八
- 【再掲】うたうかたつむり 野田沙織詩集
- 暁の宇品 陸軍船舶司令官たちのヒロシマ(著)堀川惠子
- 橋本夢道物語―妻よおまえはなぜこんなに可愛いんだろうね(著)殿岡駿星