戦争は女の顔をしていない(著)スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ(訳)三浦みどり

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想定をはるかに凌駕。従軍女性というのを看護師や通信士くらいと決めつけていたが、狙撃兵・地雷班・高射砲兵・砲兵師団・ 飛行士・歩兵・・・等に当時10代20代のガールやレディたちが参戦していた事実。その数100万人を超えるソ連人女性とは。それ以外にも地下活動家とくくられる人たちも。証言者は、いうまでもなく生き残った者だけで、命を落とした人々の胸中は想像することもかなわない。

戦時下の少年兵と同様、祖国の英雄となるべく志願した者も少なくないようだし、親の意向で志願させられた者、胎児を産めずに復讐心を燃やして挑んだ者、さまざま。従軍中の苦労とても、女性ならではの苦悩も。。。あてがわれる下着が男物ばかりであったなどは、笑ってくれといわんばかりの、涙も涸れる体験談。

しかも戦後に、そうした事実を隠して生きなければ、同性ながら従軍しなかった女性達から蔑視されるなど、男以上に過酷な体験を強いられていたとは。

最大の驚愕は、そうした事実をわたしは何も知らずに今まで生きてきてしまったということ。

せめてもの慰めは、多読乱読のおかげで本書にも出遭えたということくらいか。なればこそ、これからも手当たり次第に本と向き合っていこうと思うのみ。

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