多数決のいかがわしさを感じていたものの、代替案としてボルダルール以外に幾つもあるなんて知らなかった。有権者なら必読の凄い本だよ。
それ以上にショックだったのは、フランス革命の時点でパリではこうした研究・議論が沸騰していたことと、ルソーの社会契約論がこの問題に言及していること。過去の世界史学習ではそんなことちっとも学んでこなかった愚かしさ、恥ずかしさだ。
本書では改憲論議にも触れて、多数決のあり方、国民投票のあり方にも数学的に意見しているし、2009年に与党となった民主党がマニフェストで謳っていた周波数オークションの問題も述べている。ああ、ちゃんとこういうことを勉強するように教育設計しないのは現行政府の策謀と確信した。