(きょうの愛媛新聞読書欄には)
そのタイトルにもかかわらず中身は極めて真面目な好著
[河野有理・東京都立大教授]
とあるので早速読んだ。著者(トンボ学生服の会社の人)は大真面目でも、20年も路上観察してればやっぱり怪しいおじさんとして警察の職質に遭遇もしているし、本物の怪しい輩から声掛けられたりもしたなど、他人が聞く分には楽しいエピソードもあって実に読みやすい。
女子高生らの制服着崩しが不良化の一歩だなんて見るのは時代錯誤ではある。おじさんには理解しづらくとも、彼女らには間違いなく自分たちなりの美意識、おしゃれ感覚があってのこと。しかも一学年ちがうだけで嗜好も違うというから、感覚の変化に、並のおじさんはついてはいけない。学生服業界の人はそういうニーズに敏感みたいだ。
さて、この著者のお顔や姿やいかにと思ってWEBを探したら、ありました。そこには、彼女らのファッションセンスのターニングポイントとなった、あの方が大きく紹介されてある。(わたしの興味はあくまで著者のほうだが。)その情報は → ココ。
話を愛媛新聞の記事に戻す。河野有理さん(専門はなんだろう?)が3年前の本書をいまさら「新鮮★新選」として紹介したのは、ほかでもないコロナ禍のマスク・ファッションに結びつけて考えたからであった。普遍的な意味(?)をお探しのようだから、どこかでまた世界に通用するようなマスク・ファッションの本が売れ出すのかもしれない。事実、イスラム文化圏イランの女性がスカーフで顔を覆いながらもファッション性を求めてそれなりの涙ぐましい努力をしていると本書にも書いてある。
- 戦争は女の顔をしていない(著)スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ(訳)三浦みどり
- 徹底して戦争と死について書く(執筆)沼野充義(『図書』岩波書店定期購読誌2020年11月号巻頭)
- 夢の舟唄(德永民平詩集)
- わさびの日本史 (著)山根京子
- 国家への道順(著)柳美里
- 正義のゲーム理論的基礎(著)ケン・ビンモア(訳)栗林寛幸
- 社会契約論ーーホッブス、ヒューム、ルソー、ロールズ(ちくま新書)(著)重田園江
- 40代から始めよう! あぶら身をごっそり落とす きくち体操
- スケール 上──生命、都市、経済をめぐる普遍的法則(著)ジョフリー・ウェスト(訳)山形浩生・森本 正史
- 多数決を疑う――社会的選択理論とは何か (岩波新書)