
「言葉」と「ことば」を使い分けている著者のこころねが愛おしい。ろう者に対してつい「やさしいふり」をしてしまうわたしが居るのを実感させられるが、それ以上に、感動するんだなあ、エピソードのどれもこれも。聴者家族に生まれた聾者の著者が、聾家族に生まれた聾者の妻とのあいだに、聞こえる児が生まれ、その一日一日の物語は、想像を超えているとしかいいようがない。
かれらに寄せられるさまざまな善意の助言がまた、一層とかれらを悩ませている現実も重い。
最近、聞こえるこども(コーダ)が産まれたろう者の友達が言っていたことが、棘になってこころに引っかかっている。
「親と手話で話ができたからって、将来的には役に立たないでしょう。(中略)親子で会話ができることよりも、こどもが自分で生きていけるようにするべき」
そんな意見とはまったく逆のことを言う人もいた。(中略)どうすればいいのか、正直なところ、よくわからない。
つまるところは、こどもに対する愛情を感じているか、どう表現しているか、に帰結するきがする。聾者であるかどうか以前の問題として。そして、聞こえているわたしが一番学ばなければいけないのは、発語としての「言葉」だけが「ことば」じゃないって意識なのだ。
最近の読書10冊(予定を含む)
- 縄文を創った男たち~信長、秀吉、そして家康~(上巻)by さくや みなみ (著), みづ (イラスト)
- 古い玩具 : 福田晋雑文集
- 風の生活 kaze no kurashi(佐々木幹郎詩集)
- 江古田文学63号●特集「天才 左川ちか」●日本大学藝術学部 発行
- お葬式 死と慰霊の日本史お葬式 (著)新谷 尚紀
- 内なるゲットー Le Ghetto intérieur (著)サンティアゴ・H・アミゴレナ(訳)齋藤可津子
- 森鷗外:於母影研究 (慶応義塾大学国文学研究会/編)
- マルジナリア(著)エドガー・A・ポオ(訳)吉田健一(創元選書135)
- 宝石の国 第1巻(アフタヌーンコミックス)
- 【続編/第3回を読む】Momo ミヒャエル・エンデ(NHK 100分で名著)


