今回はTVにもテキストにもがっがりだ。結論を先に言ってしまうなら、ミヒャエル・エンデさんが巨大すぎて、河合俊雄さんの生真面目な解説では時間内にも文量内にも収まりきらないのだ。時間論を論じるのに、TVでは唐突に仏教のマンダラが出てきて、宇宙の話と心の話がちょいと顔を覗かせるくらいで、ちんぷんかんぷんだった人が多いのではないか。その件りをあとからテキストで確認したら、宗教学者・中沢新一さんと物理学者・ヴォルフガング・パウリさん、そこへ心理学者・カール・グスタフ・ユングさんが数行ずつ紹介されている。仏教に限ってみても、華厳経とチベット仏教、それにユング心理学に近い唯識などではおなじ仏教とは思えないほどの差異がある。そんな壮大な思想的背景を「仏教的」とか「宇宙的」といった一括りで説明されても。。。。
わるいのは河合先生じゃない。悪者探しはさておき、エンデさんの世界が壮大で、なおかつ、ファンタジックで、ドラマチックで、古今東西に冠たるほどの作品に仕上がっている証左ということ、それを再確認したのだ。