著者の第2作。掲げた写真は表紙じゃなくて扉のウラと目次の見える見開きページ。扉の用紙が透過しているのがミソ。ウラから見ても「穴」は「穴」というだけの話。だから、その下にみえる著者名は当然、鏡文字状態。思いきって、この仕掛けにあわせて著者名も見直したら面白かったのに。。。というのは小説の楽しみ方として異端そのものだろうが。
おい、内容について書けよ、という声が聞こえたりもしそうなので一言だけ書こう。改行少なめの文章を連ねて、ハッピーエンドでもなければ、かといってアンハッピーでもなく、平凡な日常のように見えて、非凡なのに共感してしまう部分も含んだ日常。そんな小山田浩子節になっていると思う。
最近の読書10冊
- サン=テグジュペリ Saint-Exupéry R.M.アルベレス(著)中村三郎(訳)1998年改訂版
- においのカゴ 石井桃子創作集 大西香織(編集)
- 日本美術のことばと絵 玉蟲敏子(著)角川選書571
- 考える江戸の人々 自立する生き方をさぐる 柴田純(著)
- だまされ屋さん 星野智幸(著)
- 日本幼児史 子どもへのまなざし 柴田純(著)
- 雪の森のリサベット アストリッド・リンドグレーン(作)イロン・ヴィークランド(絵)石井登志子(訳)
- 子どもらしさ(執筆)畑中章宏(『図書』岩波書店定期購読誌2021年2月号/らしさについて考える③)
- ブリキの卵/この世は少し不思議 恩田陸(著)「タマゴマジック」所収・河北新報出版センター発行
- 分断を超えるハンセン病文学の言葉(執筆)木村哲也(『図書』岩波書店定期購読誌2021年2月号)