著者の第2作。掲げた写真は表紙じゃなくて扉のウラと目次の見える見開きページ。扉の用紙が透過しているのがミソ。ウラから見ても「穴」は「穴」というだけの話。だから、その下にみえる著者名は当然、鏡文字状態。思いきって、この仕掛けにあわせて著者名も見直したら面白かったのに。。。というのは小説の楽しみ方として異端そのものだろうが。
おい、内容について書けよ、という声が聞こえたりもしそうなので一言だけ書こう。改行少なめの文章を連ねて、ハッピーエンドでもなければ、かといってアンハッピーでもなく、平凡な日常のように見えて、非凡なのに共感してしまう部分も含んだ日常。そんな小山田浩子節になっていると思う。
最近の読書10冊
- 映画にしなければならないもの(INTERVIEW)瀬々敬久・佐藤健・阿部寛/キネマ旬報2021年10月上旬号
- 小早川秋聲 旅する画家の鎮魂歌/回顧展公式カタログ兼書籍
- シンポジウム「明日に向けて、何をどう書いていくか」日本児童文学者協会2021公開研究会/案内リーフレット
- 「ぞうもかわいそう」再びー『かわいそうなぞう』の虚偽(筆)長谷川潮/『日本児童文学』2021年9・10月号特集「伝える」を問い直す
- レイシズムを考える(編)清原悠
- 咀嚼不能の石(筆)古矢旬/『図書』岩波書店定期購読誌2021年9月号巻頭
- 読書の敵たち(筆)大澤聡/『図書』岩波書店定期購読誌2021年9月号所収
- 宵の蒼(著)ロバート・オレン バトラー(訳)不二淑子/「短編画廊 絵から生まれた17の物語」所収 (ハーパーコリンズ・フィクション)
- 木村素衞――「表現愛」の美学 (再発見 日本の哲学)(著) 小田部胤久
- たまごのはなし(作・絵)しおたにまみこ