訳者服部理佳さんの訳本という理由で選んだ一冊。(わざわざ検索したわけでもないのに、図書館で高校生課題図書としてクローズアップされているのに遭遇して速攻手にしたのだ。最近読んだばかりの『失われた芸術作品の記憶』の訳者。)
米国の白人警官による黒人少年射殺事件の理不尽さを黒人目線でストレートに描いた小説。主人公は被害者の友であり事件目撃者となった女子高生、その名もスター。裁判で証言するに至るまでも、その後も、多くの黒人白人を巻き込んでの打々発止が繰り広げられる。はっきりいってエンディングは明るいとは言えない。現実の米国そのもの。でも絶望ではないものを感じられる、といえばいいだろうか。
読んでいて、われながら残念なのは登場するラップ音楽をよくしらないのでイメージできないこと。著者は元ラッパーというから、相当の思い入れをもって挿入してるにちがいないのに。あとで、調べてみようとおもうので少しメモしておく。
- ケンドリック・ラマー 歌詞に「おれたちはだいじょうぶだ」とあった。
- N・W・Aのアイス・キューブ 歌詞に「くたばれ、ポリス。おれはアンダーグラウンドからやって来た。黒人(ニガ)のガキだってだけで、ひでえ目にあってきた」とあった。
- サニーちゃん、シリアへ行く 長有紀枝(文)葉祥明(絵)黒木英充(監修)
- 江戸の空見師 嵐太郎 佐和みずえ(著)
- その白さえ嘘だとしても 河野裕(著)階段島シリーズ第二作 新潮文庫書き下ろし
- indigo+ 赤崎チカ(著)Time is Art シリーズⅢ
- 古書店主とお客さんによる古本入門 漱石全集を買った日 山本善行×清水裕也(対談)
- 暮しの手帖1971年夏号
- 八年後のたけくらべ 領家髙子(著)
- キャパとゲルダ ROBERT CAPA & GERDA TARO ふたりの戦場カメラマン EYES OF THE WORLD マーク・アロンソン&マリナ・ブドーズ(著)原田勝(訳)
- ウルスリのすず SCHELLEN-URSLI ゼリーナ・ヘンツ(文)アロイス・カリジェ(絵)大塚勇三(訳)
- まことに残念ですが… ROTTEN・REJECTIONS 不朽の名作への「不採用通知」160選 アンドレ・バーナード(編著)木原武一(監修)中原裕子(訳)