訳者服部理佳さんの訳本という理由で選んだ一冊。(わざわざ検索したわけでもないのに、図書館で高校生課題図書としてクローズアップされているのに遭遇して速攻手にしたのだ。最近読んだばかりの『失われた芸術作品の記憶』の訳者。)
米国の白人警官による黒人少年射殺事件の理不尽さを黒人目線でストレートに描いた小説。主人公は被害者の友であり事件目撃者となった女子高生、その名もスター。裁判で証言するに至るまでも、その後も、多くの黒人白人を巻き込んでの打々発止が繰り広げられる。はっきりいってエンディングは明るいとは言えない。現実の米国そのもの。でも絶望ではないものを感じられる、といえばいいだろうか。
読んでいて、われながら残念なのは登場するラップ音楽をよくしらないのでイメージできないこと。著者は元ラッパーというから、相当の思い入れをもって挿入してるにちがいないのに。あとで、調べてみようとおもうので少しメモしておく。
- ケンドリック・ラマー 歌詞に「おれたちはだいじょうぶだ」とあった。
- N・W・Aのアイス・キューブ 歌詞に「くたばれ、ポリス。おれはアンダーグラウンドからやって来た。黒人(ニガ)のガキだってだけで、ひでえ目にあってきた」とあった。
- 生まれてこないほうが良かったのか? ――生命の哲学へ! (筑摩選書)森岡正博著
- 霊と肉 山折哲雄著
- ほんとさいこうの日 レイン・スミス作/青山南訳
- 寝てもとれない疲れをとる本(PHP文庫)中根一著
- いなくなれ、群青(新潮文庫)河野裕著
- 幸せになりたければねこと暮らしなさい 樺木宏(著)かばきみなこ(監修)
- あの日からの或る日の絵とことば 筒井大介編
- 女性史は可能か UNE HISTOIRE DES FEMMES EST-ELLE POSSIBLE? ミシェル・ペロー編 (邦訳初版)
- 日本語の連続/不連続 百年前の「かきことば」を読む (平凡社新書)今野真二著
- 目利きの本屋さんに聞いてみた(暮しの手帖Winter 2020-21)