飯吉光夫さんってやっぱり凄いよ。ドイツ詩人を中心に米仏の名詩を選りすぐり、すべて初心者向けに平易で親しみやすいトーンに訳し直した、詩鑑賞の入門書。先生はパウル・ツェランが専門でかれの詩作ほとんど訳しているというのに、かれには微塵も触れない。(難解とされるからだろう。)唯ただ、ひとりでも多くの人に優れた詩編に触れて欲しいとの”詩愛”の極みか。しかも挿絵は、詩人によるイメージの差異を楽しめるようベテラン4人で分担してもらう編集力。
- 唐仁原教久(ヘッセ、ケストナー、ブレヒト、グラス)
- 東逸子(ボードレール、ランボー、カフカ、ホイットマン)
- 葉祥明(リルケ、ハイネ、そしてカバー・扉・目次画)
- 田渕俊夫(ゲーテ)
- サン=テグジュペリ Saint-Exupéry R.M.アルベレス(著)中村三郎(訳)1998年改訂版
- においのカゴ 石井桃子創作集 大西香織(編集)
- 日本美術のことばと絵 玉蟲敏子(著)角川選書571
- 考える江戸の人々 自立する生き方をさぐる 柴田純(著)
- だまされ屋さん 星野智幸(著)
- 日本幼児史 子どもへのまなざし 柴田純(著)
- 雪の森のリサベット アストリッド・リンドグレーン(作)イロン・ヴィークランド(絵)石井登志子(訳)
- 子どもらしさ(執筆)畑中章宏(『図書』岩波書店定期購読誌2021年2月号/らしさについて考える③)
- ブリキの卵/この世は少し不思議 恩田陸(著)「タマゴマジック」所収・河北新報出版センター発行
- 分断を超えるハンセン病文学の言葉(執筆)木村哲也(『図書』岩波書店定期購読誌2021年2月号)
おお、わたしは難しくても飯吉光夫先生訳のパウル・ツェラン作品が読みたいぞ。