飯吉光夫さんってやっぱり凄いよ。ドイツ詩人を中心に米仏の名詩を選りすぐり、すべて初心者向けに平易で親しみやすいトーンに訳し直した、詩鑑賞の入門書。先生はパウル・ツェランが専門でかれの詩作ほとんど訳しているというのに、かれには微塵も触れない。(難解とされるからだろう。)唯ただ、ひとりでも多くの人に優れた詩編に触れて欲しいとの”詩愛”の極みか。しかも挿絵は、詩人によるイメージの差異を楽しめるようベテラン4人で分担してもらう編集力。
- 唐仁原教久(ヘッセ、ケストナー、ブレヒト、グラス)
- 東逸子(ボードレール、ランボー、カフカ、ホイットマン)
- 葉祥明(リルケ、ハイネ、そしてカバー・扉・目次画)
- 田渕俊夫(ゲーテ)
- 春の宵(著)クォン・ヨソン(訳)橋本智保/韓国女性文学シリーズ4
- アジの味(著)クォン・ヨソン(訳)斎藤真理子(頭木弘樹編『絶望書店』所収)
- ゆるく考える(著)東浩紀 (河出文庫)
- 他所者の神戸(執筆)尾原宏之(『図書』岩波書店定期購読誌2021年6月号)
- 実力も運のうち 能力主義は正義か? マイケル・サンデル(著)鬼澤忍(訳)
- 「僕ら」の「女の子写真」から わたしたちのガーリーフォトへ 長島有里枝(著)
- 未確認ハンバーグ弁当(作)日向理恵子/日本児童文学2021年5・6月号
- 雲と空のはざまで(執筆)大河原 愛(『図書』岩波書店定期購読誌2021年5月号/巻頭)
- お探し物は図書室まで 青山美智子(著)さくだゆうこ(羊毛フェルト)写真(小嶋淑子)装丁(須田杏菜)
- 三の隣は五号室 長嶋有(著)中公文庫
おお、わたしは難しくても飯吉光夫先生訳のパウル・ツェラン作品が読みたいぞ。