絵本と分類されるけど、これはNEWYORK近代美術館の子供向け案内本。主人公ぼくが友達あぁとくんを探しに出掛けたら、アートを紹介されまくるという展開で美術館の作品に遭遇しまくるストーリー。ヴィンセント・ファン・ゴッホの星月夜を見ては「とても、ドキドキする、というか。」と感想をのべる程度だし、サルバドール・ダリの記憶の固執のまえでは「金時計にむらがる アリたちのむれは、いったいどうしたって いうんだい? それに、ここの時間は でたらめじゃないか。まったく。」と率直な疑問も。
こんな調子で絵画の他に写真やビデオ・映画・彫刻・建築もならぶだけ? と思ったら、巻末には絵本収録の作品の作品名・作者・作品仕様・所蔵元が列記され、クレジットが原文(英語の儘)載せてある。もはや単なる絵本じゃない。関心を持つこどもがあることを想定して「どうぞ、ご説明くださるようおねがいします」と結んである。願わくは、日本でも各地の美術館や博物館をテーマにこういう絵本っぽい案内本が続々出ると大人も子供も楽しいとおもう♪
- 「おばさん」がいっぱい(執筆)三辺律子(『図書』岩波書店定期購読誌2021年4月号/本をひらいた時)
- 七万人のアッシリア人 ウイリアム・サローヤン(著)斉藤数衛(訳)現代アメリカ作家集上巻所収1971年初版
- 季(とき)間中ケイ子(筆)ほか/日本児童文学2021年3・4月号 特集25年後の子どもたちへ
- カフカらしくないカフカ 明星聖子(著)
- 雪の練習生 多和田葉子(著)
- 物理の館物語(著者不明)/小川洋子『物理の館物語』参照(柴田元幸編『短篇集』所収)
- 『還れぬ家』『空にみずうみ』佐伯一麦(著)
- 十一年目の枇杷(執筆)佐伯一麦(『図書』岩波書店定期購読誌2021年3月号/巻頭)
- もっともらしさ(執筆)畑中章宏(『図書』岩波書店定期購読誌2021年3月号/らしさについて考える④)
- 【続】フランツ・ファノン『黒い皮膚・白い化面』小野正嗣(筆)NHK100分de名著