あの日。それは2011年3月11日。その日を境に、絵本の世界は変わった! と確信する編集者・筒井大介さんの呼びかけで出来上がった、絵本作家32人の絵とことば。
まずそれぞれの絵が見開きいっぱいに登場し、そのあと、作者たちの思い思いの3.11とそれ以降が文ででてくる。さすがだなと感嘆するのは、絵は絵、文は文と割り切れない表現力だろうか。絵本というからには読み手として想定されるのはこどもらだろうけど、でも、昔こどもだったひと、つまりおとなこそ読むべき人に違いない。それを象徴的におしえてくれるのは及川健治さんの文だ。
この本の企画のお話をいただいてから試しに机の下に潜ってみました。あの日以降の自分のことを考えてみようと思ったのです。するとなぜか僕はあの日よりももっと以前、どんどん過去に戻ってしまって自分が子供だった頃の気持ちになっていました。
そうして彼が思ったのは防空壕にいる自分だった。尋常でない事態にヒトは、無垢なこどもに立ち返るという、ひとつの真理を明示しているように感じられる。(そういうことを自覚できる人だから絵本をつくるべくしてつくっているのだろう。)
- お月さまってどんなあじ? ミヒャエル・グレイニェク(絵・文)いずみちほこ(訳)
- 案外、知らずに歌ってた童謡の謎 合田道人(著)
- 世界の名詩を読みかえす 飯吉光夫(訳・編集)葉祥明・唐仁原教久・東逸子・田渕俊夫(絵)
- 太秦ライムライト(映画パンフ)福本清三・山本千尋
- 白い土地 ルポ福島「福島帰還困難区域」とその周辺 三浦英之(著)
- 『Kaka Murad』 & 『Magic Box』
- ザ・ヘイト・ユー・ギヴ THE HATE U GIVE アンジー・トーマス(著)服部理佳(訳)
- 【読了】EREWHON エレホン サミュエル・バトラー(著)武藤浩史(訳)
- 桂浜水族館公認飼育員のトリセツ 桂浜水族館(監修)
- The Journal of Art Crime: Fall 2020 Noah Charney (著), Urška Charney (イラスト)