虚しさ哀しさばかりが残る中高年の末路。著者あなたは何を視ているのでしょうかと、寄り添いたくなる読後。それが端から狙いだとしたら途轍もない大作家なのだと想う。添付の著者近影のまなざしもそれを考えさせてくれる。韓国は、日本の文学界より先を行っているのかもしれない。日に日に進む高齢化・低成長社会の哀しみの一歩先を。そうなんですよねえ、フィクションの力で、有りもしない希望を見せる時代は終焉を迎えるべきなのかもしれない。(その上で意味のある人生を問うところに、人は目覚めなければ・・・)
最近の読書10冊(予定を含む)
- 「おばさん」がいっぱい(執筆)三辺律子(『図書』岩波書店定期購読誌2021年4月号/本をひらいた時)
- 七万人のアッシリア人 ウイリアム・サローヤン(著)斉藤数衛(訳)現代アメリカ作家集上巻所収1971年初版
- 季(とき)間中ケイ子(筆)ほか/日本児童文学2021年3・4月号 特集25年後の子どもたちへ
- カフカらしくないカフカ 明星聖子(著)
- 雪の練習生 多和田葉子(著)
- 物理の館物語(著者不明)/小川洋子『物理の館物語』参照(柴田元幸編『短篇集』所収)
- 『還れぬ家』『空にみずうみ』佐伯一麦(著)
- 十一年目の枇杷(執筆)佐伯一麦(『図書』岩波書店定期購読誌2021年3月号/巻頭)
- もっともらしさ(執筆)畑中章宏(『図書』岩波書店定期購読誌2021年3月号/らしさについて考える④)
- 【続】フランツ・ファノン『黒い皮膚・白い化面』小野正嗣(筆)NHK100分de名著