石井桃子さんの作品や翻訳のお世話になっていない日本人なんていないでしょうから、紹介は略。収録の作品はいかにも昭和の家庭や子どものにおいがするけれど、古臭く感じないのは、登場人物がひとりのこらず生き生き、のびやかなところに安らぎをおぼえるから。
ただ、平成令和の子らにはどう映るんだろうと、余計な心配をしている。
学校のこづかい室
村の半鐘
リンゴ箱のつくえ
スウェター
まぐそだらけの道
ふろをたきつける
わたしにはどれもこれも(というのは言い過ぎだけれど、おおむね)リアルになつかしいひびきがする。わたしの小学時代の通学路はまぐそだらけの道ではなくて、牛の糞だらけだった。。。
本書はタイトル通り、創作集に徹していて、推薦のことばも解説もあとがきもない。そこがまたいい。編集子大西香織さんの名はよそでもちらほら拝見したことがあるが、どんなかたやら。
最近の読書10冊(予定を含む)
- お月さまってどんなあじ? ミヒャエル・グレイニェク(絵・文)いずみちほこ(訳)
- 案外、知らずに歌ってた童謡の謎 合田道人(著)
- 世界の名詩を読みかえす 飯吉光夫(訳・編集)葉祥明・唐仁原教久・東逸子・田渕俊夫(絵)
- 太秦ライムライト(映画パンフ)福本清三・山本千尋
- 白い土地 ルポ福島「福島帰還困難区域」とその周辺 三浦英之(著)
- 『Kaka Murad』 & 『Magic Box』
- ザ・ヘイト・ユー・ギヴ THE HATE U GIVE アンジー・トーマス(著)服部理佳(訳)
- 【読了】EREWHON エレホン サミュエル・バトラー(著)武藤浩史(訳)
- 桂浜水族館公認飼育員のトリセツ 桂浜水族館(監修)
- The Journal of Art Crime: Fall 2020 Noah Charney (著), Urška Charney (イラスト)