石井桃子さんの作品や翻訳のお世話になっていない日本人なんていないでしょうから、紹介は略。収録の作品はいかにも昭和の家庭や子どものにおいがするけれど、古臭く感じないのは、登場人物がひとりのこらず生き生き、のびやかなところに安らぎをおぼえるから。
ただ、平成令和の子らにはどう映るんだろうと、余計な心配をしている。
学校のこづかい室
村の半鐘
リンゴ箱のつくえ
スウェター
まぐそだらけの道
ふろをたきつける
わたしにはどれもこれも(というのは言い過ぎだけれど、おおむね)リアルになつかしいひびきがする。わたしの小学時代の通学路はまぐそだらけの道ではなくて、牛の糞だらけだった。。。
本書はタイトル通り、創作集に徹していて、推薦のことばも解説もあとがきもない。そこがまたいい。編集子大西香織さんの名はよそでもちらほら拝見したことがあるが、どんなかたやら。
最近の読書10冊(予定を含む)
- サニーちゃん、シリアへ行く 長有紀枝(文)葉祥明(絵)黒木英充(監修)
- 江戸の空見師 嵐太郎 佐和みずえ(著)
- その白さえ嘘だとしても 河野裕(著)階段島シリーズ第二作 新潮文庫書き下ろし
- indigo+ 赤崎チカ(著)Time is Art シリーズⅢ
- 古書店主とお客さんによる古本入門 漱石全集を買った日 山本善行×清水裕也(対談)
- 暮しの手帖1971年夏号
- 八年後のたけくらべ 領家髙子(著)
- キャパとゲルダ ROBERT CAPA & GERDA TARO ふたりの戦場カメラマン EYES OF THE WORLD マーク・アロンソン&マリナ・ブドーズ(著)原田勝(訳)
- ウルスリのすず SCHELLEN-URSLI ゼリーナ・ヘンツ(文)アロイス・カリジェ(絵)大塚勇三(訳)
- まことに残念ですが… ROTTEN・REJECTIONS 不朽の名作への「不採用通知」160選 アンドレ・バーナード(編著)木原武一(監修)中原裕子(訳)