おしゃれな造りに嬉しくなる。しおり紐はみんな印刷されたもので、いわばフェイク尽くし。なかでも、扉のまえにある透明シートの仕掛けは絶品。
それ以外にも、随所に見開きの写真があるのだがそこにあしらったイラストがカワイイ。もちろん大量の絵本が紹介され、そのなかで「いい絵本」についての思索が深められるように組み立てられている。そのうえで著者は「ちゃちな子どもだまし」「大人の独りよがり」を廃していく。著者がその思いを強くしたエピソードが見事で、わたしもがつんとやられました。
児童文学者の斎藤惇夫さんが、その著『現在、子どもたちが求めているもの』(キッズメイト刊)の中で、編集者時代のこんなエピソードを・・・
赤羽末吉さんの『つるにょうぼう』を担当されていたときのことです。・・・斎藤さんが指折り数えてみると、機織り機を見にどこそこへ出かけたり、着物を調べにどこどこまで行ったりと、もう六年もたっていました。・・・赤羽さんは・・・最後に「だって相手は子どもなんだぜ」とこうおっしゃったそうです。
- 戦争は女の顔をしていない(著)スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ(訳)三浦みどり
- 徹底して戦争と死について書く(執筆)沼野充義(『図書』岩波書店定期購読誌2020年11月号巻頭)
- 夢の舟唄(德永民平詩集)
- わさびの日本史 (著)山根京子
- 国家への道順(著)柳美里
- 正義のゲーム理論的基礎(著)ケン・ビンモア(訳)栗林寛幸
- 社会契約論ーーホッブス、ヒューム、ルソー、ロールズ(ちくま新書)(著)重田園江
- 40代から始めよう! あぶら身をごっそり落とす きくち体操
- スケール 上──生命、都市、経済をめぐる普遍的法則(著)ジョフリー・ウェスト(訳)山形浩生・森本 正史
- 多数決を疑う――社会的選択理論とは何か (岩波新書)