おしゃれな造りに嬉しくなる。しおり紐はみんな印刷されたもので、いわばフェイク尽くし。なかでも、扉のまえにある透明シートの仕掛けは絶品。
それ以外にも、随所に見開きの写真があるのだがそこにあしらったイラストがカワイイ。もちろん大量の絵本が紹介され、そのなかで「いい絵本」についての思索が深められるように組み立てられている。そのうえで著者は「ちゃちな子どもだまし」「大人の独りよがり」を廃していく。著者がその思いを強くしたエピソードが見事で、わたしもがつんとやられました。
児童文学者の斎藤惇夫さんが、その著『現在、子どもたちが求めているもの』(キッズメイト刊)の中で、編集者時代のこんなエピソードを・・・
赤羽末吉さんの『つるにょうぼう』を担当されていたときのことです。・・・斎藤さんが指折り数えてみると、機織り機を見にどこそこへ出かけたり、着物を調べにどこどこまで行ったりと、もう六年もたっていました。・・・赤羽さんは・・・最後に「だって相手は子どもなんだぜ」とこうおっしゃったそうです。
- 生まれてこないほうが良かったのか? ――生命の哲学へ! (筑摩選書)森岡正博著
- 霊と肉 山折哲雄著
- ほんとさいこうの日 レイン・スミス作/青山南訳
- 寝てもとれない疲れをとる本(PHP文庫)中根一著
- いなくなれ、群青(新潮文庫)河野裕著
- 幸せになりたければねこと暮らしなさい 樺木宏(著)かばきみなこ(監修)
- あの日からの或る日の絵とことば 筒井大介編
- 女性史は可能か UNE HISTOIRE DES FEMMES EST-ELLE POSSIBLE? ミシェル・ペロー編 (邦訳初版)
- 日本語の連続/不連続 百年前の「かきことば」を読む (平凡社新書)今野真二著
- 目利きの本屋さんに聞いてみた(暮しの手帖Winter 2020-21)