おしゃれな造りに嬉しくなる。しおり紐はみんな印刷されたもので、いわばフェイク尽くし。なかでも、扉のまえにある透明シートの仕掛けは絶品。
それ以外にも、随所に見開きの写真があるのだがそこにあしらったイラストがカワイイ。もちろん大量の絵本が紹介され、そのなかで「いい絵本」についての思索が深められるように組み立てられている。そのうえで著者は「ちゃちな子どもだまし」「大人の独りよがり」を廃していく。著者がその思いを強くしたエピソードが見事で、わたしもがつんとやられました。
児童文学者の斎藤惇夫さんが、その著『現在、子どもたちが求めているもの』(キッズメイト刊)の中で、編集者時代のこんなエピソードを・・・
赤羽末吉さんの『つるにょうぼう』を担当されていたときのことです。・・・斎藤さんが指折り数えてみると、機織り機を見にどこそこへ出かけたり、着物を調べにどこどこまで行ったりと、もう六年もたっていました。・・・赤羽さんは・・・最後に「だって相手は子どもなんだぜ」とこうおっしゃったそうです。
- 迷子の魂(絵本)Olga Tokarczuk(作) Joanna Concejo(絵)
- 男らしさ(執筆)畑中章宏(『図書』岩波書店定期購読誌2020年12月号/らしさについて考える②)
- 杜甫の作った冷やし麺(執筆)興膳宏(『図書』岩波書店定期購読誌2020年12月号)
- 東洋堂古書目録 令和2年秋号
- しろいみつばち きくちちきの絵本(暮しの手帖Winter 2020-21 特別付録)
- 和歌史 なぜ千年を越えて続いたか(角川選書)
- おふろでちゃぷちゃぷ 松谷みよ子(文) 岩崎ちひろ(絵)
- 宮津昭彦集 自註現代俳句シリーズⅠ期16
- 永遠の緑 浅田次郎著 KEIBA CATALOG vol.18
- 英語発達小史(岩波文庫)H.ブラッドリ著 寺澤芳雄訳