悪党・ヤクザ・ナショナリスト 近代日本の暴力政治 (著)エイコ・マルコ・シナワ(邦訳)藤田美菜子
これまで表立って触れられることの少なかった「暴力専門家」(元・武士や博徒、山賊、犯罪者など)に照準をあわせた政治史は新鮮。明治維新以降に行き場を無くした侍らが戦闘の場を求めていたことくらいは知られているが、これまでの政治…
これまで表立って触れられることの少なかった「暴力専門家」(元・武士や博徒、山賊、犯罪者など)に照準をあわせた政治史は新鮮。明治維新以降に行き場を無くした侍らが戦闘の場を求めていたことくらいは知られているが、これまでの政治…
もともと「愛媛の俳諧史」執筆を頼まれたのに、明治以降の新派は書けないと著者の意向でタイトル変更となった本。昭和37年発行。 著者・星加宗一さんはそのころ県立八幡浜高校校長で江戸時代の俳諧研究をされていた由。なかなか頑固な…
2009年に発表された、アジア・中東・アフリカのリアルな貧困社会のすがた。実際にスラム街や、女性がしきる売春宿などに止宿し、行動を共にしながら体感しているから、過酷苦渋な面だけではなくて人間の喜怒哀楽が見えている。読んで…
いまや、ことばを失った日本社会、ということになるのだね。 1980年代の若者のことば・コミュニケーションを題材に、社会の変容を眺めながら、これは近代以降の日本人論なのだ(とまでは著者は断じてないが)。明治維新の時も、昭和…
井上ひさしワールドは外れなく面白い。(けど、抱腹絶倒はしませんでした。)お気に入り作品は、さすが演劇世界のひとだなあと感歎する方言満載の『五十年ぶり』。一般に小説家の書く方言は特定の地域(郷土とか)のそれで読ませるが、井…
帯に載っているメッセージを半信半疑で確かめるように読んでみたが、ん~全く共鳴しない。救いと光に満ちた長編小説ということらしいのに残念。 巻末解説で中瀬ゆかりさんが明かしているのは、自身のパートナー喪失直後に、この著者白石…
新内閣の話題であまり沖縄担当大臣のことが取り沙汰されていない気がして沖縄の戦後史関聯本を散策していて出会った雑誌。1958年4月創刊号から今に至るまでバックナンバーを購入できるって凄いよ。 毎号、ほぼほぼ表紙は女性の写真…
今朝の愛媛新聞文化欄(!?)掲載の「1強の決算」ほど忖度なしの痛快総括はないでしょう。執筆者の鎌田慧さんといえば、この本。かれこれ40年近く前になるが、当時のトヨタ自動車の期間工として地獄を体験した記録で、今読んでも壮絶…
ダルビッシュ有似だという声に賛同。でも本書に纏められたコラムっぽいお話『茶話』が書かれたのは30代後半だから、もう少し老けているはず。実際に文章を読むともっと年嵩の印象だが、大正初期のヤングアダルトはこうだったのかもし…
古句と聞いて、「コクがある」のコクと響くような印象(勘違い?)で手に取った一冊。 岩波文庫収録のおかげで振り仮名が付き、新字新かなとなって読みやすいのは有難いが、昭和18年の七丈書院本の表紙に配われた絵や筆文字の趣が…