言語小説集(新潮文庫)

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井上ひさしワールドは外れなく面白い。(けど、抱腹絶倒はしませんでした。)お気に入り作品は、さすが演劇世界のひとだなあと感歎する方言満載の『五十年ぶり』。一般に小説家の書く方言は特定の地域(郷土とか)のそれで読ませるが、井上さんのは全国津々浦々のを対等に登場させていてびっくりする。方言に関しては国語学者平山輝男さんとの対談が専門書に付随するくらいの本格派だった。作品の末尾にある一文がまた、著者らしくて可愛い。

(捧げられてもお困りでしょうが、この一編を国語学者平山輝男先生に捧げます。・・・)

 

 

 

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