悪党・ヤクザ・ナショナリスト 近代日本の暴力政治 (著)エイコ・マルコ・シナワ(邦訳)藤田美菜子

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これまで表立って触れられることの少なかった「暴力専門家」(元・武士や博徒、山賊、犯罪者など)に照準をあわせた政治史は新鮮。明治維新以降に行き場を無くした侍らが戦闘の場を求めていたことくらいは知られているが、これまでの政治史はいわゆるお偉いさんの視点でしか語られてこなかった。しかし、鶴の一声で時代を動かすための人員多数のなかに危険分子も組み込まれていた。およそ一〇〇年はそんな手段が堂々と使われていたのだ。

かれらの存在が消えてゆくのは、お金こそすべてという手法がメインとなる、戦後しばらくしてからのことだったのか。

 

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