1979年生まれの詩人を知った時にはすでに死後1年とは。読む前にそう知ったためだろうか、切なさを感じてしまうのは。否、まるで童謡のようなあどけなさを一杯拡げているのに、エンディングには、ちゃんと大人の女性が佇んでいるからなのだ。かたつむり色した(?)装幀にピンクの栞紐というのも作風にふさわしい。
お気に入りは、「ゆめのふね」。
きみを乗せた/舟がとおったら/ぼくは空で星をまくよ/大事にとっておいた/おりがみのキラキラを/全部つかって
きみが思わず/星に手をのばしたら/そっと/そうっとその手を/にぎってもいいかな
でも ね
できることなら/その舟に/きみとならんで星を見たい
最近の読書10冊(予定を含む)
- EREWHON エレホン サミュエル・バトラー(著)武藤浩史(訳)
- 失われた芸術作品の記憶 ノア・チャーニイ(著)服部理佳(訳)
- 問いかけるアイヌ・アート 池田忍(編)五十嵐聡美・貝澤 徹・小笠原小夜・吉原秀喜・高橋 桂・中川 裕・山崎明子・池田 忍(著)
- 撤退の時代だから、そこに齣を置く(執筆)赤坂憲雄(『図書』岩波書店定期購読誌2021年1月号/往復書簡「言葉をもみほぐす」最終話)
- 絵本の本 中村柾子著
- 藤井聡太 すでに棋士として完璧に近い(谷川浩司筆・文藝春秋2021新年特別号所収)
- 石たちの声がきこえる マーグリート・ルアーズ(作)ニザール・アリー・バドル(絵)前田君江(訳)
- 国旗のまちがいさがし 苅安望(監修)
- ひみつのビクビク フランチェスカ・サンナ(作)なかがわちひろ(訳)
- あしたはきっと デイヴ・エガーズ(文)レイン・スミス(絵)青山南(訳)