作者の策に進んでハマって愉しい。ここに収められた24篇のエッセイはハッキリ言って新しくない(2011~2017年執筆)のだがあまり意識しないし、わざわざ前書きにつづいて「著者からのお願い」と題して、読み飛ばしていただいていい2篇を例示してあるが、それこそ読むべし、という感じ。「全国の巻き尺への疑惑を晴らしたい」と「憎き相手校を応援する理由」。
それにしても、どうしてタイトルの「頓」の字にだけフリガナがついているんだろう。これも著者のこだわりなんだ。
どれもこれも実に軽妙なのに、軽薄ではないなあとしみじみ思う。末文で「ある方」に仮託して示された文章がそれを物語っている。(その「ある方」が誰か気になる人は本書を手に取る運命にあるかも。。。)
この世界には人間の思惑を遥かに超えた力が存在することを分かってほしいという、その方なりの思い故であった……と信じたい。