きょうも写真は扉。昔懐かしい、図書館の貸出票っぽいデザインだが、さりげなく添えてある「必ず期限を守りましょう。」の一文が謎めいて見えるのは深読みだろうか。そう思いつつ読んだ結果は……
深読みだったみたい。それでも特別なメッセージが込められていると執拗に勘ぐるのもまた愉快。
市立図書館リファレンスカウンターに勤務する青年が同僚とともに厄介な相談に本気でのめり込む連作で、癖強ながらもその姿は好感度が高い。
構成としてミステリーっぽくて、奇天烈な本探査のゆくえはよく練られている。ネタバレになるが、なかでも森林太郎(鷗外)とまぎらわしい林森太郎の本の話題とか。
さらに、町の図書館存廃を賭けた問題にこの青年が巻き込まれて、議会で参考人招致されて図書館の存在意義を語る件りは純粋に熱い。でも、その成否がエンディングじゃなくて・・・なんてところが、青春小説のいい味を出している。でも物語のなかでの取り扱い書籍から考えて対象年齢はおじさんおばさんのようではある。(相当年齢高めでもOK。)
付けたり。諸処に難読難語が散りばめられているのも、それっぽい世界観なんだろう。
最近の読書10冊
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- indigo+ 赤崎チカ(著)Time is Art シリーズⅢ
- 古書店主とお客さんによる古本入門 漱石全集を買った日 山本善行×清水裕也(対談)
- 暮しの手帖1971年夏号
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- キャパとゲルダ ROBERT CAPA & GERDA TARO ふたりの戦場カメラマン EYES OF THE WORLD マーク・アロンソン&マリナ・ブドーズ(著)原田勝(訳)
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