店主と客人の関係性とは思えない、古本熱愛者同士の語り合いが愉しい。タイトルが憎いんだよ。わたしも(漱石ではないが)その昔旅先で立ち寄った古本屋で『中勘助全集』を買ってしまって、持ち帰れずに宅配で送って貰ったことがある。そんな記憶が蘇った。
『「知の技法」入門』という哲学者の小林康夫と社会学者の大澤真幸の対談本を読んでいると、その中に「若いころに誰でもいいから一人全集を読むといい。(以下略)」というようなことが書かれていて・・・
清水裕也・談
全集を読むと良い、というのは小林秀雄もどこかで書いてたな・・・
山本善行・談
そうだ、そうだ、そうだよねえ、と共感しまくり。かれらの対談の傍らに居座ってしまったのであった。表紙以外の掲載写真は、お客さん清水裕也さんが撮っていた年代ごとの購入書籍の写真(の一部)。こういう記録もいいね。
- 生まれてこないほうが良かったのか? ――生命の哲学へ! (筑摩選書)森岡正博著
- 霊と肉 山折哲雄著
- ほんとさいこうの日 レイン・スミス作/青山南訳
- 寝てもとれない疲れをとる本(PHP文庫)中根一著
- いなくなれ、群青(新潮文庫)河野裕著
- 幸せになりたければねこと暮らしなさい 樺木宏(著)かばきみなこ(監修)
- あの日からの或る日の絵とことば 筒井大介編
- 女性史は可能か UNE HISTOIRE DES FEMMES EST-ELLE POSSIBLE? ミシェル・ペロー編 (邦訳初版)
- 日本語の連続/不連続 百年前の「かきことば」を読む (平凡社新書)今野真二著
- 目利きの本屋さんに聞いてみた(暮しの手帖Winter 2020-21)