店主と客人の関係性とは思えない、古本熱愛者同士の語り合いが愉しい。タイトルが憎いんだよ。わたしも(漱石ではないが)その昔旅先で立ち寄った古本屋で『中勘助全集』を買ってしまって、持ち帰れずに宅配で送って貰ったことがある。そんな記憶が蘇った。
『「知の技法」入門』という哲学者の小林康夫と社会学者の大澤真幸の対談本を読んでいると、その中に「若いころに誰でもいいから一人全集を読むといい。(以下略)」というようなことが書かれていて・・・
清水裕也・談
全集を読むと良い、というのは小林秀雄もどこかで書いてたな・・・
山本善行・談
そうだ、そうだ、そうだよねえ、と共感しまくり。かれらの対談の傍らに居座ってしまったのであった。表紙以外の掲載写真は、お客さん清水裕也さんが撮っていた年代ごとの購入書籍の写真(の一部)。こういう記録もいいね。
- EREWHON エレホン サミュエル・バトラー(著)武藤浩史(訳)
- 失われた芸術作品の記憶 ノア・チャーニイ(著)服部理佳(訳)
- 問いかけるアイヌ・アート 池田忍(編)五十嵐聡美・貝澤 徹・小笠原小夜・吉原秀喜・高橋 桂・中川 裕・山崎明子・池田 忍(著)
- 撤退の時代だから、そこに齣を置く(執筆)赤坂憲雄(『図書』岩波書店定期購読誌2021年1月号/往復書簡「言葉をもみほぐす」最終話)
- 絵本の本 中村柾子著
- 藤井聡太 すでに棋士として完璧に近い(谷川浩司筆・文藝春秋2021新年特別号所収)
- 石たちの声がきこえる マーグリート・ルアーズ(作)ニザール・アリー・バドル(絵)前田君江(訳)
- 国旗のまちがいさがし 苅安望(監修)
- ひみつのビクビク フランチェスカ・サンナ(作)なかがわちひろ(訳)
- あしたはきっと デイヴ・エガーズ(文)レイン・スミス(絵)青山南(訳)