あの日からの或る日の絵とことば 筒井大介編

あの日。それは2011年3月11日。その日を境に、絵本の世界は変わった! と確信する編集者・筒井大介さんの呼びかけで出来上がった、絵本作家32人の絵とことば。

まずそれぞれの絵が見開きいっぱいに登場し、そのあと、作者たちの思い思いの3.11とそれ以降が文ででてくる。さすがだなと感嘆するのは、絵は絵、文は文と割り切れない表現力だろうか。絵本というからには読み手として想定されるのはこどもらだろうけど、でも、昔こどもだったひと、つまりおとなこそ読むべき人に違いない。それを象徴的におしえてくれるのは及川健治さんの文だ。

この本の企画のお話をいただいてから試しに机の下に潜ってみました。あの日以降の自分のことを考えてみようと思ったのです。するとなぜか僕はあの日よりももっと以前、どんどん過去に戻ってしまって自分が子供だった頃の気持ちになっていました。

そうして彼が思ったのは防空壕にいる自分だった。尋常でない事態にヒトは、無垢なこどもに立ち返るという、ひとつの真理を明示しているように感じられる。(そういうことを自覚できる人だから絵本をつくるべくしてつくっているのだろう。)

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