いなくなれ、群青(新潮文庫)河野裕著

「猫はわがままの専門家だからね」この台詞を聞いてから、ものがたりの世界に入れた、気がする(のは昨日の猫の本のせいかも知れないけど)。あたかもVR世界に迷い込んだ少年少女の青春群像劇かなと傍観するように読み進めていたが、それよりも東洋的、仏教的な時空間、末那識・阿頼耶識の共振性をイメージするようになった時には読者のわたしもそこに居た。

読む前は、表紙イラストがアニメ過ぎるなと感じていて、おじさん読者には不向きかなと、最後まで読みきる自信なんて無かったのに、読み終えてからこの絵を見たら、さすがの絵画に見えて、自分の眼を疑った。不思議。「階段島」シリーズ第一作を堪能したから、第二巻を買いにいこうと思う。(ちょいと遠い本屋さんだったので、次回行くまで、ありますように。本も店も。)