読書? と疑う思いは振り切って、初めて古書目録を採り上げる。定期的に送付いただいているだけで申し訳ない気持ちと、面白い珍本があるかなと興味一杯で1頁1頁を繰っている。その意味で季刊は適度な刺激になっている。今号で大注目は、金剛頂瑜伽蓮華部大儀軌という仏典解説書の鎌倉後期写本。解説によれば3丁目4丁目(3枚目4枚目の紙ということで頁にすれば裏表で4頁分)は日本大蔵経には載っていないとのことで、すこぶるレアもの。底本のことは紹介されていないから実物を手にするほかは確かめる術がない。価格は88万円。わたしは買えないし、東京神田まで観に行くことも大変だから、夢想するばかり。もしも、これが法華経関聯なら、関聯資料を根掘り葉掘りとしつこく探索しつづけることになるのだ。
古書目録の面白さはまたどこかで語りたい。
- 生まれてこないほうが良かったのか? ――生命の哲学へ! (筑摩選書)森岡正博著
- 霊と肉 山折哲雄著
- ほんとさいこうの日 レイン・スミス作/青山南訳
- 寝てもとれない疲れをとる本(PHP文庫)中根一著
- いなくなれ、群青(新潮文庫)河野裕著
- 幸せになりたければねこと暮らしなさい 樺木宏(著)かばきみなこ(監修)
- あの日からの或る日の絵とことば 筒井大介編
- 女性史は可能か UNE HISTOIRE DES FEMMES EST-ELLE POSSIBLE? ミシェル・ペロー編 (邦訳初版)
- 日本語の連続/不連続 百年前の「かきことば」を読む (平凡社新書)今野真二著
- 目利きの本屋さんに聞いてみた(暮しの手帖Winter 2020-21)