読書? と疑う思いは振り切って、初めて古書目録を採り上げる。定期的に送付いただいているだけで申し訳ない気持ちと、面白い珍本があるかなと興味一杯で1頁1頁を繰っている。その意味で季刊は適度な刺激になっている。今号で大注目は、金剛頂瑜伽蓮華部大儀軌という仏典解説書の鎌倉後期写本。解説によれば3丁目4丁目(3枚目4枚目の紙ということで頁にすれば裏表で4頁分)は日本大蔵経には載っていないとのことで、すこぶるレアもの。底本のことは紹介されていないから実物を手にするほかは確かめる術がない。価格は88万円。わたしは買えないし、東京神田まで観に行くことも大変だから、夢想するばかり。もしも、これが法華経関聯なら、関聯資料を根掘り葉掘りとしつこく探索しつづけることになるのだ。
古書目録の面白さはまたどこかで語りたい。
- 戦争は女の顔をしていない(著)スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ(訳)三浦みどり
- 徹底して戦争と死について書く(執筆)沼野充義(『図書』岩波書店定期購読誌2020年11月号巻頭)
- 夢の舟唄(德永民平詩集)
- わさびの日本史 (著)山根京子
- 国家への道順(著)柳美里
- 正義のゲーム理論的基礎(著)ケン・ビンモア(訳)栗林寛幸
- 社会契約論ーーホッブス、ヒューム、ルソー、ロールズ(ちくま新書)(著)重田園江
- 40代から始めよう! あぶら身をごっそり落とす きくち体操
- スケール 上──生命、都市、経済をめぐる普遍的法則(著)ジョフリー・ウェスト(訳)山形浩生・森本 正史
- 多数決を疑う――社会的選択理論とは何か (岩波新書)