季(とき)間中ケイ子(筆)ほか/日本児童文学2021年3・4月号 特集25年後の子どもたちへ

25年後の子どもたちへ、と題した特集「ひとこと集」。ひとことっていうのは大抵「それ長いよ」と思うが、マジで一言だと「短すぎ」と感じるのが常ではないか。その意味では節度あるひとことが並んでいる。最短のひとことは、武鹿悦子さん(児童詩人)。

じぶんを たいせつに /ひとを たいせつに /すべての いのちを /たいせつに

もうひと方、間中ケイ子さん(詩人)は詩でひとこと。

 季(とき)

 風に ゆれながら /根が のびていく

 雨に ぬれながら /緑は 深くなっていく

 蝶は /ゆっくり 宙(そら)に 舞い上がる

やわらかな闇のバランス柿若葉

テーマとしては、25年後の子どもたちへのメッセージだが、実際に25年後の少年少女の眼に触れるのだろうか。実際には、今、この雑誌を購読している(そこそこの年配者が多かろう)読者たちに向けて「25年後の子どもたちに思いを馳せて今をよりよく生きてください」との一言たちに他なるまい。

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