愛媛新聞連載”鎌田慧の「忘れ得ぬ言葉」(13)”に登場したのは俳優・木内みどりさんの気合い一杯の一言。
東日本大震災以降、脱原発集会に夫婦で参加するのみならず、頼まれた司会をあっさり受諾した木内さん。ある冬、東京で行われた街宣車上での演説会に参加した彼女。鎌田さんによれば「見事なまでに無視された」という。後日、その話題になると彼女は言った。
「頑張れる。あれで根性入った」
そんな木内みどりのひとり娘・水野頌子さんは書いている。
木内みどりは、自分自身の決めた正しさにいつでもまっすぐ、強烈な速度で向かっていた
『あかるい死に方』所収
ベテラン俳優さんはきっと仕事柄、スイッチの入れ方が巧いにちがいないが、そんな木内さんでも脱原発などの活動には格別のスイッチが必要だったということだ。われわれは活動家たちの熱量について(冷めて見てないで)、それぞれそこに至るだけの特別のスイッチが入ったに違いないと想いをめぐらしていかなければいけないのだ、たぶん。
現代人に求められる能力の一つは、想像力だ。
最近の読書10冊(予定を含む)
- 声無くして人を呼ぶ(執筆)川端知嘉子(『図書』岩波書店定期購読誌2021年2月号/巻頭)
- おさがしの本は 門井慶喜(著)
- 穴 小山田浩子(著)
- 工場 小山田浩子(著)
- ヴァン・ゴッホ・カフェ THE VAN GOGH CAFE シンシア・ライラント(作)中村妙子(訳)ささめやゆき(絵)
- 手塚治虫コミックストリックス
- しもやけぐま 今江祥智(文)あべ弘士(絵)
- 壁 濱野京子(筆)大島千明(画)日本児童文学2021年1・2月号 創作特集ディスタンス
- 子どもが感じる「距離」井嶋敦子(筆)日本児童文学2021年1・2月号 創作特集ディスタンス
- 追悼 藤富保男(季刊びーぐる 詩の海へ 38号特集)