愛媛新聞連載”鎌田慧の「忘れ得ぬ言葉」(13)”に登場したのは俳優・木内みどりさんの気合い一杯の一言。
東日本大震災以降、脱原発集会に夫婦で参加するのみならず、頼まれた司会をあっさり受諾した木内さん。ある冬、東京で行われた街宣車上での演説会に参加した彼女。鎌田さんによれば「見事なまでに無視された」という。後日、その話題になると彼女は言った。
「頑張れる。あれで根性入った」
そんな木内みどりのひとり娘・水野頌子さんは書いている。
木内みどりは、自分自身の決めた正しさにいつでもまっすぐ、強烈な速度で向かっていた
『あかるい死に方』所収
ベテラン俳優さんはきっと仕事柄、スイッチの入れ方が巧いにちがいないが、そんな木内さんでも脱原発などの活動には格別のスイッチが必要だったということだ。われわれは活動家たちの熱量について(冷めて見てないで)、それぞれそこに至るだけの特別のスイッチが入ったに違いないと想いをめぐらしていかなければいけないのだ、たぶん。
現代人に求められる能力の一つは、想像力だ。
最近の読書10冊(予定を含む)
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- アジの味(著)クォン・ヨソン(訳)斎藤真理子(頭木弘樹編『絶望書店』所収)
- ゆるく考える(著)東浩紀 (河出文庫)
- 他所者の神戸(執筆)尾原宏之(『図書』岩波書店定期購読誌2021年6月号)
- 実力も運のうち 能力主義は正義か? マイケル・サンデル(著)鬼澤忍(訳)
- 「僕ら」の「女の子写真」から わたしたちのガーリーフォトへ 長島有里枝(著)
- 未確認ハンバーグ弁当(作)日向理恵子/日本児童文学2021年5・6月号
- 雲と空のはざまで(執筆)大河原 愛(『図書』岩波書店定期購読誌2021年5月号/巻頭)
- お探し物は図書室まで 青山美智子(著)さくだゆうこ(羊毛フェルト)写真(小嶋淑子)装丁(須田杏菜)
- 三の隣は五号室 長嶋有(著)中公文庫