新撰組の○○というのも、○○の料理人とのタイトルも溢れている気がするのに、これは新感覚かも・・・と手に取る。あっ、この作者は以前にも新撰組をテーマに書いていた? と恐る恐る解説から読む。やっぱり。『新撰組颯爽録』であったか。解説者はこう語る。
剣の達人とされてきた土方歳三を剣の才能がなかったとするなど、前作を踏襲した設定や世界観もあるので、『新選組颯爽録』を読んでおいた方が本書をより楽しめるはずだ。
解説(末國善己)
・・・迷ったあげく、前作を読むことにして、この一冊は取りあえず本棚行き。解説によれば、新選組モノのブームを牽引したのは紛れもなく司馬遼太郎さんの『新選組血風録』『燃えよ剣』2作だった。それまで明治以降に逆賊扱いでしかなかった彼らに光を当てた格好だ。
そういう風に俯瞰するならば、○○の料理人という主役扱いの流れも、陰の存在にすぎなかった人びとに光を当てる一種の文化的発展と見ておきたい。まったくの余談ながら、このように料理人をターゲットにした(文芸に限らず)藝術作品の嚆矢とは何だったのだろうと聊か気になる。
最近の読書10冊(予定を含む)
- 迷子の魂(絵本)Olga Tokarczuk(作) Joanna Concejo(絵)
- 男らしさ(執筆)畑中章宏(『図書』岩波書店定期購読誌2020年12月号/らしさについて考える②)
- 杜甫の作った冷やし麺(執筆)興膳宏(『図書』岩波書店定期購読誌2020年12月号)
- 東洋堂古書目録 令和2年秋号
- しろいみつばち きくちちきの絵本(暮しの手帖Winter 2020-21 特別付録)
- 和歌史 なぜ千年を越えて続いたか(角川選書)
- おふろでちゃぷちゃぷ 松谷みよ子(文) 岩崎ちひろ(絵)
- 宮津昭彦集 自註現代俳句シリーズⅠ期16
- 永遠の緑 浅田次郎著 KEIBA CATALOG vol.18
- 英語発達小史(岩波文庫)H.ブラッドリ著 寺澤芳雄訳