新撰組の○○というのも、○○の料理人とのタイトルも溢れている気がするのに、これは新感覚かも・・・と手に取る。あっ、この作者は以前にも新撰組をテーマに書いていた? と恐る恐る解説から読む。やっぱり。『新撰組颯爽録』であったか。解説者はこう語る。
剣の達人とされてきた土方歳三を剣の才能がなかったとするなど、前作を踏襲した設定や世界観もあるので、『新選組颯爽録』を読んでおいた方が本書をより楽しめるはずだ。
解説(末國善己)
・・・迷ったあげく、前作を読むことにして、この一冊は取りあえず本棚行き。解説によれば、新選組モノのブームを牽引したのは紛れもなく司馬遼太郎さんの『新選組血風録』『燃えよ剣』2作だった。それまで明治以降に逆賊扱いでしかなかった彼らに光を当てた格好だ。
そういう風に俯瞰するならば、○○の料理人という主役扱いの流れも、陰の存在にすぎなかった人びとに光を当てる一種の文化的発展と見ておきたい。まったくの余談ながら、このように料理人をターゲットにした(文芸に限らず)藝術作品の嚆矢とは何だったのだろうと聊か気になる。
最近の読書10冊(予定を含む)
- 戦争は女の顔をしていない(著)スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ(訳)三浦みどり
- 徹底して戦争と死について書く(執筆)沼野充義(『図書』岩波書店定期購読誌2020年11月号巻頭)
- 夢の舟唄(德永民平詩集)
- わさびの日本史 (著)山根京子
- 国家への道順(著)柳美里
- 正義のゲーム理論的基礎(著)ケン・ビンモア(訳)栗林寛幸
- 社会契約論ーーホッブス、ヒューム、ルソー、ロールズ(ちくま新書)(著)重田園江
- 40代から始めよう! あぶら身をごっそり落とす きくち体操
- スケール 上──生命、都市、経済をめぐる普遍的法則(著)ジョフリー・ウェスト(訳)山形浩生・森本 正史
- 多数決を疑う――社会的選択理論とは何か (岩波新書)