『図書』の編集後記(こぼればなし)は編集者の本音(あるいは、そうと思わせたいモノ)が溢れていて興味深いのだが、今号では迫り来る東京オリンピックネタに因んで、前回1964年の東京オリンピック直前・直後に『図書』でどう扱っていたかを追っている。これが、何より面白いのだ。
(直前の一〇月号。)……しばらくの間はオリンピック東京大会で日本は何となくあわただしく、賑やかで、はかないものが一杯であろう。出版界ではオリンピックに関する出版物は少ないようだ。それでよいのだと思う。
(開会後の翌一一月号。)……オリンピックがはじまってから小売書店の売上がたいへん減ったというのである。恐らく読書人もテレビの前に坐っているのであろう。
出版業界人の思いと、読書人の思いの乖離といえるんじゃないかな。さあて、2021東京オリンピックの場合はどうなるか、ぜひとも異同を調べて報じて欲しいな。
最近の読書10冊(予定を含む)
- 迷子の魂(絵本)Olga Tokarczuk(作) Joanna Concejo(絵)
- 男らしさ(執筆)畑中章宏(『図書』岩波書店定期購読誌2020年12月号/らしさについて考える②)
- 杜甫の作った冷やし麺(執筆)興膳宏(『図書』岩波書店定期購読誌2020年12月号)
- 東洋堂古書目録 令和2年秋号
- しろいみつばち きくちちきの絵本(暮しの手帖Winter 2020-21 特別付録)
- 和歌史 なぜ千年を越えて続いたか(角川選書)
- おふろでちゃぷちゃぷ 松谷みよ子(文) 岩崎ちひろ(絵)
- 宮津昭彦集 自註現代俳句シリーズⅠ期16
- 永遠の緑 浅田次郎著 KEIBA CATALOG vol.18
- 英語発達小史(岩波文庫)H.ブラッドリ著 寺澤芳雄訳