『図書』の編集後記(こぼればなし)は編集者の本音(あるいは、そうと思わせたいモノ)が溢れていて興味深いのだが、今号では迫り来る東京オリンピックネタに因んで、前回1964年の東京オリンピック直前・直後に『図書』でどう扱っていたかを追っている。これが、何より面白いのだ。
(直前の一〇月号。)……しばらくの間はオリンピック東京大会で日本は何となくあわただしく、賑やかで、はかないものが一杯であろう。出版界ではオリンピックに関する出版物は少ないようだ。それでよいのだと思う。
(開会後の翌一一月号。)……オリンピックがはじまってから小売書店の売上がたいへん減ったというのである。恐らく読書人もテレビの前に坐っているのであろう。
出版業界人の思いと、読書人の思いの乖離といえるんじゃないかな。さあて、2021東京オリンピックの場合はどうなるか、ぜひとも異同を調べて報じて欲しいな。
最近の読書10冊(予定を含む)
- 戦争は女の顔をしていない(著)スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ(訳)三浦みどり
- 徹底して戦争と死について書く(執筆)沼野充義(『図書』岩波書店定期購読誌2020年11月号巻頭)
- 夢の舟唄(德永民平詩集)
- わさびの日本史 (著)山根京子
- 国家への道順(著)柳美里
- 正義のゲーム理論的基礎(著)ケン・ビンモア(訳)栗林寛幸
- 社会契約論ーーホッブス、ヒューム、ルソー、ロールズ(ちくま新書)(著)重田園江
- 40代から始めよう! あぶら身をごっそり落とす きくち体操
- スケール 上──生命、都市、経済をめぐる普遍的法則(著)ジョフリー・ウェスト(訳)山形浩生・森本 正史
- 多数決を疑う――社会的選択理論とは何か (岩波新書)