第2作にしてすっかり階段島の世界に馴染んでいるわたし(ああ、嵌められた感じ)。キャラの一人一人が確と立っているなかでも、メインの一人真辺由宇の直情さとそれを最も理解する僕・七草くんの屈折した優しさに寄り添っていると、思わず10代だった青春に還っている自分を感じる。青春小説って、そういう意味で言えるのかと初めて体感。
唯一(現段階では)納得しきれない箇所があって、それは(このシリーズがつづく中で解消されるかもしれないが)真辺さんの髪について長い方がいいみたいな発言を七草君がしている件り。そんなことを気にしている読者は、感情移入しすぎと言われるかもしれないが。第三作も読もうとおもう。
- サニーちゃん、シリアへ行く 長有紀枝(文)葉祥明(絵)黒木英充(監修)
- 江戸の空見師 嵐太郎 佐和みずえ(著)
- その白さえ嘘だとしても 河野裕(著)階段島シリーズ第二作 新潮文庫書き下ろし
- indigo+ 赤崎チカ(著)Time is Art シリーズⅢ
- 古書店主とお客さんによる古本入門 漱石全集を買った日 山本善行×清水裕也(対談)
- 暮しの手帖1971年夏号
- 八年後のたけくらべ 領家髙子(著)
- キャパとゲルダ ROBERT CAPA & GERDA TARO ふたりの戦場カメラマン EYES OF THE WORLD マーク・アロンソン&マリナ・ブドーズ(著)原田勝(訳)
- ウルスリのすず SCHELLEN-URSLI ゼリーナ・ヘンツ(文)アロイス・カリジェ(絵)大塚勇三(訳)
- まことに残念ですが… ROTTEN・REJECTIONS 不朽の名作への「不採用通知」160選 アンドレ・バーナード(編著)木原武一(監修)中原裕子(訳)